喫煙と精子所見



本日のブログは培養部からお届けします。
以前このブログでもお話しましたが、喫煙は卵巣機能に悪影響を及ぼす恐れがあります。
今回はそれだけではなく、造精機能へ悪影響を及ぼす恐れもあるということをお話しさせて頂きたいと思います。



ヨーロッパの泌尿器科学会の雑誌に掲載された論文で、喫煙によって「精子数の減少」、「精子運動性の低下」、「正常精子形態率の低下」がみられたという報告があります。また、喫煙の量が多いほど、精子所見への悪影響がみられたということでした。
この論文は、喫煙が精子所見にどう影響するかを調べるため、WHO(世界保健機関)の検査マニュアルを使用したいくつかの論文を合わせて分析し、精子所見を喫煙習慣のある人とない人に分け、まとめたものです。

まず、1ml中の精液に含まれる精子数では、喫煙者の方が972万個 精子数が少ないということでした。
喫煙者の平均は3378万~1億1320万個、非喫煙者の平均は4203万~1億3250万個。報告によって、喫煙者の方が非喫煙者よりも15万個少ないというものから、5400万個少ないといったものがあるようです。
また精子の運動率では、喫煙者が16.6~72.3%、非喫煙者が21.7~74.3%で、喫煙者の方が3.48%低かったということでした。(0.97%低下するというものから、14.03%低下するといった報告あり。)
そして精子の正常形態率は、平均で喫煙者の方が1.37%低かったということでした。(0.56%低下するというものから、5.6%低下するといった報告があり。)

この論文は、いくつかの論文を合算したときに、揃えていない条件もあります。
そのため異論もありますが、喫煙が精子所見に悪影響を及ぼすようです。

ドラマ「隣の家族は青く見える」の中のセリフでもありましたが、不妊治療は、女性側だけの問題ではなく、ご夫婦で取り組む治療です。
もし喫煙されていたら、この機会にぜひ禁煙をおすすめいたします。




参考文献
Cigarette Smoking and Semen Quality: A New Meta-analysis Examining the Effect of the 2010 World Health Organization Laboratory Methods for the Examination of Human Semen. Eur Urol. 2016 Oct;70(4):635-645. doi: 10.1016/j.eururo.2016.04.010. Epub 2016 Apr 21.

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