男性肥満と不妊

本日は培養部からお届け致します。
看護部ブログで女性肥満は妊活に悪影響を与えるということをお話させていただきました。今回は男性側の肥満も不妊の原因となることをお話させていただきます。

「Reproductive BioMedicine Online」で2018年に発表された最新の論文で、男性側が肥満の場合、体外受精後の妊娠率・生児出生率が低くなるという報告がありました(引用①)。
この論文は11文献(14372周期)を解析し、肥満男性(BMI 25以上)と標準男性(BMI 18.5-24.9)に分け、体外受精後の妊娠率と生児出生率を比較しています。
肥満男性では、ホルモンバランスの異常で精子形成の阻害や勃起不全(ED)が引き起こされることや、精子所見の悪化や精子DNAのダメージが上昇することが報告されており、そのため妊娠率と生児出生率が低下すると考察されています。


BMI (Body Mass Index)の計算式
BMI = 体重(㎏) ÷ {身長(m) × 身長(m)}


男性肥満と精子所見の関係については、Jared M Campbellら(2015年、引用②)の報告で、男性側のBMI を30以上と25以下に分けた場合、体外受精時の精液量・精子濃度・前進運動率に差はありませんが、BMI 30以上で正常形態精子の割合の低下やDNA断片化の増加が認められたとあります(30文献115158周期)。この論文においても、男性側が肥満の場合、生児出生率が低くなると報告されています。

ただし、肥満以外の男性要因や女性側の様々な条件が影響し、正確に男性肥満の影響のみを抽出するのは困難だと思われます。肥満が悪影響を及ぼすという一方で、肥満男性で妊娠率・出生率・精子濃度は通常男性と有意な差は認められないとする論文もあり、さらなる調査が必要だと思われます(Le Wら:2016年、10文献5262周期、引用③)。

以前のブログとの繰り返しになりますが、不妊治療は女性側だけの問題ではなく、ご夫婦で取り組む治療です。この機会にご夫婦そろってお体の事を見直してみてはいかがでしょうか。





参考文献
① Rabia Mushtaq, Jyotsna Pundir, Chiara Achilli, Osama Naji, Yacoub Khalaf, Tarek El-Toukhy : Effect of male body mass index on Assisted reproduction treatment outcome: aan updated systematic review and meta-analysis. Reprod Biomed Online. 2018 Apr;36(4):459-471

② Jared M Campbell, Michelle Lane, Julie A Owens, Hssan w Bakos : Paternal obesity negatively affects male fertility and assisted reproduction outcomes: a systematic review and meta-analysis. Reprod Biomed Online. 2015 Nov;31(5):593-604.

③ Le, W., Su, S.H., Shi, L.H., Zhang, J.F., and Wu, D.L.: Effect of male body mass index on clinical outcomes following assisted reproductive technology: a meta-analysis in couples undergoing intracytoplasmic sperm injection. Andrologia. 2016; 48: 406–424

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