ホルモン異常と腸内細菌には関連がある?

前回は、花粉症をはじめとしたアレルギー疾患と腸内細菌の関連を、私の経験も含めてお伝えしました。今回はさらに卵巣機能にも影響するかもしれない、というお話しです。

月経不順の原因のひとつである多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と腸内細菌叢の関連についての論文がEndocrine news という雑誌の2018年3月号に紹介されていました。
近年、様々な代謝疾患に腸内細菌を含む体内の微生物叢(microbiome)の変化が関係していることが指摘されています。カルフォルニア大学の研究グループの報告によると、PCOSの患者さんでは腸内細菌の多様性が低下しているそうです。PCOSは、超音波検査で卵巣に小卵胞が多数みえること、月経不順、下垂体ホルモンのひとつであるLHの分泌過剰などをもとに診断されます。①PCOS の所見がない群、②PCOSの超音波所見のみの群、③月経不順も伴うPCOSの群で比較すると、①より②、②より③の群で腸内細菌叢の多様性が低下していたということです。

微生物というと体に悪いイメージがあるかもしれませんが、私たちの体と上手に共生している微生物、良い作用をしている微生物が多数あります。
今後、microbiomeに着目した排卵障害の治療につながるかもしれませんね。

妊活を始めると、食事や運動など生活習慣を見直す方も多いとかと思います。
正常なmicrobiomeの維持に、食生活は当然大きく影響します。
極端なやり方のダイエットは避け、不足しがちな食物繊維や発酵食品をとり、バランスの取れた食生活をする… あちこちで言い尽くされていることですが、その重要性を改めて認識させられました。

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