2020の終わりに

世界中の人々が、予測がつかない状況に翻弄された2020年。

 

三月以降、コロナ禍での診療のあり方をその時々の状態応じて模索しなくてはならなかったものの、振り返ってみると、その前から計画していた日曜診療の開始、タイムラプス培養器の導入、着床前診断の臨床研究参加などを予定通り進めることができました。思うように気晴らしもできない中、スタッフの皆がそれぞれの立場で奮闘してくれたおかげです。特に着床前診断は、昨年から胚培養士が内外で準備を重ねてきた成果があがり、安定して結果を重ねております。

 

タイムラプス培養器は、受精卵に負担をかけずに受精確認をしたり、胚発生のより細かい情報を得るのに大変有用です。適切なタイミングに着床前診断のための胚生検をするには欠かせない機器です。患者様にご自分の受精卵の分割の様子をお見せすることもでき、大変喜んで頂いております。

 

不妊治療をとりまく社会的な状況にも様々な変化がありました。テレワークの導入により、コロナ禍以前と比べてむしろ通院しやすくなった方もおられます。

また、ご存知の方も多いと思いますが、来月から体外受精助成金制度の改変があり、所得制限の撤廃、2回目以降も30万円給付、2人目、3人目治療時には再度最大6回申請できるなど、助成金の対象となる方と内容が拡充されました。保険導入は2022年度とのことで少し先になりますが、おそらく保険適応になるもの、先進医療扱いになるもの、どちらにもならないものと出てくると想定しております。保険導入のデメリットを指摘する声もありますが、保険適応に値する確立された治療と、ある程度有効であるエビデンスがあるもの、全く研究レベルのものと患者様にわかりやすくなって良いのではないかと感じています。現状だと、施設によって様々なオプションが提示されており、患者様に費用をかけるほど確実に成功率が上がるように思わせてしまっていることが懸念されます。

 

コロナ禍で思わぬ進展があったのはオンライン診療です。以前からオンライン診療アプリは導入していたのですが、緊急事態宣言下で初めて利用されるようになりました。超音波検査や血液検査がある日には来院が必要ですが、処方をして次の診察日を決めるだけの場合はもっと利用されてもよいのではと思っております。(今のところ、冷所保存の薬剤の配送は対象外です。)お話しした結果、検査が必要になってしまう場合もあるのですが…来院する時間が取れない場合、体調が悪い場合などにご利用ください。

 

2021年の世界はどのようになっているかわかりませんが、ひとつひとつ、目の前のことに取り組んで参ります。

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