タバコによる妊娠と赤ちゃんへの影響について

タバコによる妊娠と赤ちゃんへの影響について
猛暑が続いていますが、みなさん体調はいかがでしょうか? 今回は看護部よりお届けします。 本日はタバコの妊娠への影響、赤ちゃんへのリスクについてお話します。 妊娠中の喫煙は副流煙であっても、胎児に悪影響を与えるということはよく知られています。しかし、たとえ妊娠前であっても、喫煙は体にとって良くないことだらけなのです。 タバコの煙には約4000種類の化学物質、約200種類の有害物質、60種類以上の発がん性物質が含まれています。そして受動喫煙による「副流煙」には喫煙者が吸い込む「主流煙」よりも数倍から数十倍多くの有害物質が含まれているのです。つまり夫が喫煙者で妻が非喫煙者である場合、夫は自分の健康を損なうだけでなく、妻へも大きな被害を与えていることになります。 タバコの有害物質は精巣や卵巣に集積され精子・卵子の遺伝子異常や染色体異常を引き起こします。それが受精率の低下、妊娠率の低下につながります。ただでさえ自然に減っていく卵子。喫煙や受動喫煙の経験がある女性は卵子の減少速度が早まる為、AMH値(an...

卵子凍結

卵子凍結
本日は培養部から「卵子凍結」についてお届けします。 卵子凍結とは、通常の不妊治療で行っている胚凍結とは異なり採卵した卵子を受精させる前に凍結する技術です。 元々は癌治療をされる患者様が、将来妊娠の可能性を残すという【医学的適応】として用いられていた技術ですが、最近では加齢による卵子の老化に備える【社会的適応】の技術としても注目されています。実際にアメリカでは、社会的適応としてFacebook社とアップル社が「希望する女性社員に対して、卵子凍結保存に会社の保険を適用する」ことを発表しています。日本でも千葉県浦安市が少子化対策として未受精卵凍結の助成(平成29年度で終了)を行うなど、国内外のニュースを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。 今回は社会的適応の側面からお話させていただきます。 この卵子凍結はARTにおいて比較的新しい技術であり、将来妊娠を希望している女性に妊娠の機会を残すことが出来る為、様々な場面での利用が期待されています。 しかし、日本生殖医学会は2013年に「社会的適...

子宮内膜着床能検査(ERA)始めます

子宮内膜着床能検査(ERA)始めます
この度、子宮内膜着床能検査(アイジェノミクス社のERA検査)を導入することとしました。 体外受精で良好なグレードの胚(受精卵)を戻したのになかなか妊娠しない… 「着床障害ではないか…」と不安になる方もおられると思います。 着床は良好胚と内膜の相互作用により成立するものです。妊娠に至らない場合、多くは胚の質が原因です。しかし、適切な厚さの内膜に、十分黄体補充もし、5AA(最上グレードの胚盤胞です)を戻しても着床しないことを繰り返すようだと、何かしら着床率が下がる原因があるのではないかということになります。 これまで、内膜スクラッチ法やSEET法など着床率を上げる試みはいくつか報告されております。特に内膜スクラッチは子宮体癌検診かねて行うことできる、比較的簡便な手技ですので、不成功を繰り返しているかたには説明のうえ行っております。しかし、いずれも全ての方に有効な方法ではない、というのが現状です。 通常、自然妊娠の着床期にあわせて排卵の5日後、もしくはホルモン補充周期ですと黄体ホルモンを開始して...

梅雨の晴れ間の高尾山

梅雨の晴れ間の高尾山
こんにちは。本日は受付からお届けします。 梅雨に入り不安定なお天気が続き、青空は長く続かない時期になりました。と同時に、あちらこちらで紫陽花が綺麗に咲いています。うっとおしい梅雨の季節に、小さい花が寄り添って鮮やかな花を咲かせ、一つの美を作り上げている紫陽花は、雨の中でも様々な色合いを見せてくれ、気分晴れやかに心穏やかになります! 先日、高尾山に行ってきました。高尾山は都心に近いにもかかわらず豊かな自然を満喫することができました!ミシュランガイドの日本の観光ガイドで三ツ星を獲得した山は、富士山と高尾山だけということもあり、多くの方が訪れる人気スポットです。そして高尾山薬王院などの有名なパワースポットが数か所あります。この時期はビアガーデンも楽しめますし、ケーブルカーもあるので安心ですね! 体調を崩しやすくなりがちなこの時期、食事、運動、睡眠と普段の生活習慣の意識が梅雨時の体調を大きく左右すると言われています。心身共に健康の増進のためにも、梅雨の晴れ間に皆さんも楽しみに行かれたらいかかでしょうか!

カンジダ症

カンジダ症
こんにちは。看護部です。 関東も梅雨入りし、蒸し暑い季節になりましたね。温度と湿度が高くなると蒸れやすくなり、気候の変化や疲労などで免疫力が低下すると、カンジダ症になりやすくなります。カンジダ症とは、カビの一種が繁殖して痒みや白っぽいおりものなどの症状を引き起こすもので、膣洗浄とお薬で治療します。予防には、免疫力アップと通気性の良い下着を着用することが効果的です。常在菌のため、抗菌薬の使用や妊娠、疲労など、性行為とは関係なく発症することがあります。痒みやおりものの変化など、普段とは違う症状が出た際は、早めに受診して治療しましょう。 不妊治療で通院中の方も、気になる症状があるときはお気軽にご相談ください。

ホルモン異常と腸内細菌には関連がある?

ホルモン異常と腸内細菌には関連がある?
前回は、花粉症をはじめとしたアレルギー疾患と腸内細菌の関連を、私の経験も含めてお伝えしました。今回はさらに卵巣機能にも影響するかもしれない、というお話しです。 月経不順の原因のひとつである多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と腸内細菌叢の関連についての論文がEndocrine news という雑誌の2018年3月号に紹介されていました。 近年、様々な代謝疾患に腸内細菌を含む体内の微生物叢(microbiome)の変化が関係していることが指摘されています。カルフォルニア大学の研究グループの報告によると、PCOSの患者さんでは腸内細菌の多様性が低下しているそうです。PCOSは、超音波検査で卵巣に小卵胞が多数みえること、月経不順、下垂体ホルモンのひとつであるLHの分泌過剰などをもとに診断されます。①PCOS の所見がない群、②PCOSの超音波所見のみの群、③月経不順も伴うPCOSの群で比較すると、①より②、②より③の群で腸内細菌叢の多様性が低下していたということです。 微生物というと体に悪いイメージがある...

池下LC武蔵野

池下LC武蔵野
こんにちは。本日は受付よりお届けします。 今回は私の自宅のご近所にある、「池下レディースクリニック武蔵野」のご紹介を させて頂きたいと思います。 三鷹駅から歩いて5~6分、井の頭通り沿いです。 トレードマークのキリン像は、近隣の園児たちのお散歩コースになっています。 開院から1年半と新しいため、待合室も診察室もとても綺麗です。 壁面にはクリスチャン・ラッセンなど、素敵な絵画が多数飾られていて、まるでギャラリーのような落ち着いた空間です。 不妊外来は行っておりませんが、武蔵野市では数少ない分娩のできる産婦人科です。 妊婦検診や婦人科、市の子宮がん検診も行っています。 予約制ではないので、状況によってはお待ち時間を頂きますが、平日の午後は、比較的スムーズなご案内が可能なようです。 お知り合いの方で、不妊外来以外のご相談をご希望の方に、吉祥寺と併せてご紹介頂けたら幸いです。 分娩をご検討中の方には、院内見学も行っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

男性肥満と不妊

男性肥満と不妊
本日は培養部からお届け致します。 看護部ブログで女性肥満は妊活に悪影響を与えるということをお話させていただきました。今回は男性側の肥満も不妊の原因となることをお話させていただきます。 「Reproductive BioMedicine Online」で2018年に発表された最新の論文で、男性側が肥満の場合、体外受精後の妊娠率・生児出生率が低くなるという報告がありました(引用①)。 この論文は11文献(14372周期)を解析し、肥満男性(BMI 25以上)と標準男性(BMI 18.5-24.9)に分け、体外受精後の妊娠率と生児出生率を比較しています。 肥満男性では、ホルモンバランスの異常で精子形成の阻害や勃起不全(ED)が引き起こされることや、精子所見の悪化や精子DNAのダメージが上昇することが報告されており、そのため妊娠率と生児出生率が低下すると考察されています。 BMI (Body Mass Index)の計算式 BMI = 体重(㎏) ÷ {身長(m) × 身長(m)} 男...

麻疹(はしか)について

麻疹(はしか)について
今週は看護部よりお伝えします。 昨今、ニュースでも報道されておりますが、麻疹(はしか)の感染が沖縄から始まり、他県にも拡がってきているようです。妊娠中に麻疹にかかると、赤ちゃんに風疹にかかるような先天性の奇形が現れることはありませんが、早産や流産の原因になる場合もあります。過去に麻疹の予防接種を受けていたのか、自分の母子手帳などあれば確認できますが、麻疹の抗体が付いているのかは採血によって抗体値の確認をする必要があります。 麻疹の予防は注射によるワクチンの接種になります。現在、単体の麻疹ワクチンが少なく、麻疹風疹の混合ワクチン(MRワクチン)も徐々に少なくなっております。ワクチンを接種したい場合、いずれも生ワクチンのため1~2ヶ月間の避妊をお願いしています。尚、妊婦さんの接種は出来ません。 心配な方は治療を開始する前に確認することをお勧めします。

顕微授精

顕微授精
培養部から「顕微授精」についてお話しします。 言うまでもなく、顕微授精は生殖医療になくてはならない技術の一つとなっており、その言葉を耳にしたことのある方も、どういう技術なのか知っている方も多いと思います。 ですので今回は、培養士が患者様の卵子と精子をお預かりして顕微授精を行うにあたり、様々な卵子・精子に出会う中から、卵子の細胞膜が弱く、針の刺激に耐えられずに自ら破れてしまう「膜の弱い卵子」についてお話しようと思います。 これらの卵子は通常の性質の卵子に比べて顕微授精後の生存率が下がる(顕微授精後に変性してしまう)ことが知られています。 この現実に対し、近年では従来の顕微授精の方法から、より卵子の負荷を軽減したPiezo-ICSI法を用いる施設が増えてきました。 当院でも開院当初からこの方法を採用しています。なぜPiezo-ICSI法で改善するのかについては割愛しますが、この方法により弱い卵子の顕微授精後の生存率、受精率ともに大きく改善しています。弱い卵子も受精できればそ...

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